「真の智慧を備えた人」と聞いて、みなさんはどのような人を想像しますか。賢い人と、学力のある人は必ずしもイコールではありません。知恵とは何かについてdictionary.comで調べると、「何が真実であるか正しいかについての知識と、行動に関する判断力、聡明さ、識別力、または洞察力」とあります。数値で測ることは出来ませんが、ほとんどの人は、賢い人や知恵のある人がどのような資質を持つかについての感覚を持っています。臨床医学研究者の間では、知恵は幸福と健康な老後につながる特性として、関心を集めています。
カリフォルニア大学サンディエゴ校が2009年に行った研究によると、知恵についてのさまざまな定義の中でも共通する特徴があり、それは以下の6つの要素に分類できました。
- 親社会的態度/行動: 公益に向けて取り組む
- 社会的意思決定/実践的知識: 実践的ン知識やライフスキルなどがある
- 感情的ホメオスタシス: 困難な状況の中で自分の感情を管理できる
- 内省/洞察: 自分を客観的に眺める
- 多様な視点の受容: 複数の視点を理解する
- 不確実性/曖昧さの認識と対処: 人生の 不確実性さを受け入れ、効果的にナビゲートできる
これらの要素は、古典哲学や宗教による知恵の定義とは異なるかも知れませんが、現代社会においては、少なからず当てはまるように思います。
スピリチュアリティは知恵の第7の要素?
この研究には、フォローアップがあります。ごく最近オンライン上で発表された内容によると、同大学の研究者は、全国に住む20歳~82歳の成人1786人を対象に調査を行ったところ、知恵の第7の要素にスピリチュアリティが加わる可能性が分かりました。
ここで言うスピリチュアリティがどのようなものであるかについては、以下のように書かれています。
スピリチュアリティは、通常、組織的または文化的な信念体系を作る宗教とは異なります。現代の定義でスピリチュアリティとは、超自然的なものへの信念や、人生の意味の探求に関連する主観的または心理的な構成要素と見なされています。それは自分自身とのつながり、他者と自然とのつながり、そして超越者とのつながりを経験することだという定義もあります。つながりとはスピリチュアリティの本質的な要素です。
調査の全体的なスコアを見ると、知恵の主要な要素と関係するのは共感や思いやりなどの親社会的行動だと考える人が多いですが、スピリチュアリティも同様に知恵を示す指標であることが分かります。また女性は男性よりもスピリチュアルを重視し、男女とも年を取るに従ってスピリチュアルの度合いが増すことが分かりました。さらに孤独と知恵の間にも逆相関関係があることを発見しました。つまり、知恵が多ければ多いほど、孤独感は少なくなるのです。
研究では、次のように説明されています。
スピリチュアリティは宗教的な信仰を必要としませんが、謙虚さと、自分自身や他の人、あるいは母なる自然や神や魂などの超越的な存在とのつながりに意味を見出します。その信念は多くの人々のストレスを軽減し、より平和に、より幸せに、そしてより健康になることを可能にします。私たちは何かとつながっていると感じるとき、孤独感が軽減されます。スピリチュアリティを自分自身や、自然、または超越者とのつながりと定義する場合、自分をスピリチュアルだと見なす人は孤独感が減少する可能性があります。
スピリチュアリティなどを含む知恵の要素が、生活の質と幸福の度合いを改善するかについては、より大規模な調査が必要になるでしょう。けれども、スピリチュアルであることを生きる知恵だと考えるのは、現代に限らず、人類の歴史と同様に古くから受け継がれているように思います。
参考:
Neurobiology of Wisdom?: A Literature Overview
本来的なスピリチュアリティとは、大きなものとのつながりという言葉にできない感覚であり、誰もが自然に備えているものなのです。
自分をスピリチュアルな人と自認すると、孤独感が軽減される。
これは、様々なプロセスを必要とするとは思いますが、確かにそうだと思います。
アウェイクニングプロセスを経ると、社会に見放されたように感じたり、周りの人々との価値観の違いに、孤独を感じる日々がありますが、そうゆう日々の中にこそ、流れない人間の、特殊な人生を生き抜く鍵が隠されていると思います。
色々と資料を組織的に揃えて翻訳してくださり、ありがとうございます。
一番心に残ったのは、メタさんの言葉でした。
「本来的なスピリチュアリテイーとは、大きなものとのつながり、という言葉にできない感覚であり、誰もが自然に備えているものなのです」
このことが、自然に理解できる様になったときに、又多くの人が気づいた時に、人類の輪が繋がっていくのだと思います。