スピリチュアルにおける人種問題とアフロフューチャリズムを考えます。
アメリカで禅センターにアジア人が少ないのはなぜ?
特定の文化おける人種の分布なんて、日本にいる間は一度も考えたことがありませんが、アメリカに住んでいると嫌でも考える機会があります。どういうことかと言うと、たとえばベイエリアには禅の瞑想をできるセンターや寺院がいくつもありますが、集まる人の多くは白人です。他民族国家アメリカの人種的内訳を見ると、白人は人口の6割以上を占める多数派ですから不思議もありませんが、カリフォルニア州に限るとヒスパニック、アジア系が増え、白人は全体の3分の1程度になります。
禅センターで見かけないローカルのアジア人は、自分たちの先祖が祀られているお寺に通います。スピリチュアルのZENと、宗教としての仏教が異なると言えばそれまでですが、このような現象はスピリチュアル界のあらゆる場面で起ります。
どうしてUFOコミュニティーに黒人は少ないか
たとえばスピリチュアル系のイベントに行くと、主催側も観客も圧倒的多数は白人です。私がアメリカに来たばかりの頃は、欧米だからそれも当たり前だと思っていましたが、滞在が長くなり経験や知識が増えると、決してそうではないことが分かります。
2020年に行われたスピリチュアルのイベントフライヤーを見てみましょう。サンフランシスコのUFOコンと、NYのニューライフ万博という大規模なイベントですが、スピーカーの人たちの写真を見ると、見事なまでに白人揃いです。
スピリチュアルの教えは、多様な文化的バックボーンを持つはずなのに、どうやらアメリカには人種間の見えないバリアがあるのだなと思う訳です。
もしもエイリアンが人種差別主義者と出会ったら? ―UFOコミュニティと人種問題
何年か前、私もUFOコンに行きましたが、観客の80%が白人、15%がヒスパニックで、残り5%のうち、アジア人と黒人は4:1くらいの割合でした。UFOはメキシコやインカ文明などと深い関係がありますから、ヒスパニックが多いのは理解できます。しかし、アジア人や黒人は一体どうしちゃったのかと不思議に思いました。
それからしばらくして、アメリカのUFOリサーチコミュニティの老舗・MUFON(相互UFOネットワーク)のディレクターが人種差別発言によって更迭されたというニュースがありました。MUFONはアメリカ最大の民間UFOリサーチ団体で、私もかつて謎の飛行物体を目撃した際に情報提供したことがあります。
そのMUFONのディレクターが、NetflixでTwitterで、ホワイトジェノサイド(非白人系の移民によって白人が排斥されるという陰謀論)に触れ、Fワートで黒人をののしった上に、「世界中のすべての文明はヨーロッパ人とアメリカ人が発明した」という強烈な白人至上主義をぶちかましたため、大いに炎上し、主要メディアのニュースでも取り上げられました。
この発言を受けたインターネットUFOコミュニティの反応は、興味深いものでした。
スピリチュアルという広いカテゴリで考えれば、UFOとスターシードと陰謀論は地続きです。しかし、本来のUFOリサーチは、科学的・客観的な事実やデータを重視するリベラルな人の集まりであり、陰謀論を信じるなんて言語道断だと言う意見が多かったのです。この一件によって、MUFONはもう終わりだと見る人も少なくありませんでした。
しかしこの事件がタイムラインの分岐点となったかのように、それ以降、インターネットUFOコミュニティは様々に細分化し、互いに作用し、盛り上がっていきます。2020年の今となっては、UFOほど、現実と架空とスピリチュアルの領域を縦横無尽に横断するサブカルチャーもないですよね。
どうして黒人はUFOを見ないのか?
昨年9月、米軍の秘密UFO施設があると言われるエリア51にUFOファンが襲撃をかけるというイベントがあったのを覚えている人も多いと思います。ナルト走りが話題になり、みんな和気あいあいと実に楽しそうでした。しかし、当日の写真を見ると、やっぱりここでも白人ばかりなんですよ。
No todos los héroes llevan capa.#Area51 #Area51storm pic.twitter.com/IceP8kTGdc
— Crossget Mal Fla (@Crossget_ok) September 21, 2019
彼らが人種差別主義者かと言うと、決してそんなレッテルを貼られる言われはないと思いますが、とは言え、たまたまみんなで集まったら、マイノリティがいなかったと言うのも妙な話だと思います。つまりは、人種をめぐる社会的距離、見えないヴェールがあるってことなんでしょうけどね。
黒人がUFOカルチャーに興味がない訳でもありません。古代エジプト文明やシュメールはもちろん、シリウスと交流があったと言われるアフリカのドゴン族など、歴史的にも深いかかわりがありますし、映画「ブラックパンサー」のようにアフリカ要素とSFをミックスしたアフロフューチャリズムと呼ばれる文化も知られています。
なぜ黒人がUFOコミュニティに少ないのかと言うと、ひとつには彼らが独自にコミュニティを築いていることがあります。YouTubeを見ると、ブラック&スピリチュアルなチャンネルはいくらでもありますからね。
黒人側の自己分析として、「どうして黒人はUFOを見ないのか:コメディアンの意見」という記事があります。タイトルにもあるように、大真面目な分析ではなく、黒人コメディアンによるスタンダップのネタなのですが、次のような理由を挙げています。
どうして黒人のブラザーは、UFOを見ないのでしょうか?私は過去30年間この疑問を持ち続けてきましたが、(中略)数多くの専門家へのインタビューと徹底的な調査の後、いくつかの結論に到達しました。黒人がUFOを見ない理由は、以下のようなものが考えられます。
- 長い歴史上の経験から、黒人は船に乗せられたり、船に乗せようとする人を本能的に恐れるから。
- エイリアンが人類を支配するために地球に来るなら、それは白人と同じであり、話がややこしくなるだけだから。
- 黒人は一般的にアンラッキーな人生を送ることで知られるから。
- 黒人は毎日のサバイバルに忙しいから。
- 実は黒人がエイリアンだから。
Comedian: Why don’t black people see UFOs? by Larry Wilmore – Today.com
「船に乗せられるのを恐れる」というのは、奴隷制を皮肉ったネタですが、「黒人=エイリアン説」というのは実際にあって、エジプト神話やバビロニア神話などとリンクしています。「実は先祖は宇宙人/天空の神」というのは、人種や文化の違いを越えて世界中に存在する話ですから、人は自分が宇宙から来たと考えるのが好きなのかも知れません。
でも、誰がより神に近いかで戦うとアルマゲドンになりますから、上も下もない、みんなが宇宙の神でいいんじゃないかと思いますよね。
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スピリチュアル界の多様性を考える
日本人から見ると、アメリカの人種問題はややこしい話です。仲良くしたらいいじゃないかと思いますけど、日本で言えば韓国との関係や、どちらが寿司を発明したかなどの話にも似ていて、そう簡単には行かないんですよ。違いを生かし、お互いの良いところをリスペクトし合おうと言う人もいますけど、いろいろと細かい点が気になる人もいます。突き詰めれば、本人のアイデンティティと誇りに関わる問題ですから、譲れないこともあります。
多様性とは、好みの違う人たちをお互いに仲良くさせることではありませんから、気が合わないなら、友達にならなくてもいいと思います。社会はいくつものレイヤーが合わさって出来ていますから、住み分けが必ずしも分離につながるとは私は思わないです。
けれども、元々の魂のレベルでは、私たちは形を持たないエネルギーであり、国も人種も性別も関係ないんですよね。ただ愛のまま存在しています。
アメリカの歴史に残る記念すべき最初のUFOアブダクションは、1961年にニューハンプシャー州で起りました。ヒル夫妻拉致事件です。アブダクティ―となったバーニーとベティの夫妻は、当時では珍しい異人種間のカップルでした。なにしろ、アメリカのすべての州で異人種間の結婚が合法化されるのが1967年、キング牧師による「私には夢がある(I have a dream)」のスピーチですら1963年のことです。それ以前に結婚した彼らの苦労は、想像に難くありません。
21世紀でさえ、UFOに拉致された(かも知れない)経験を公にするのは、勇気が必要です。ヒル夫妻の体験も、異人種間結婚のストレスが生んだ被害妄想ではないかと言う医師もいたそうです。しかし彼らは、自分たちの経験を疑うことはありませんでした。そして夫であるバーニーが46歳で急逝した後も、妻のベティは彼に生涯の愛を誓ったまま、86歳で彼の元へ旅立ちました。
拉致事件があったと言われる場所には、今でもひっそりと案内版が立っています。
宇宙人は、気ままな実験がしたかっただけかも知れません。それとも、彼らを通じて私たち人類に何かを伝えたかったのでしょうか。スピリチュアルに偶然はないですからね。
2020/06/20追記
つい最近、UFO活動家のコーリー・グッドから、黒人のエイリアンについて話をするビデオがYouTubeに上がりました。セオリーの上では、宇宙人は必ずしも肉体を持つわけではないですから、国や人種や肌の色なんて関係ないんですよね。スピリチュアルが新しい地平を切り開いてくれればいいなと思いました。
ミトコンドリアイブも黒人らしいし、黒人がエイリアンってあり得そうですよね。なんか納得しちゃいました。
わたしは黒人の人たちは
ユーホーを見なくてもいいんだと思うんです。
白人の人たちが
ユーホーや宇宙人を見て氣付くようなことは
すでに魂で知ってるんだと思います。
日本人がZENをやらないのは
その意味を深いところで理解してるからで
それと全く同じだと思います。
かしこさが50くらいアップしました
なるほど! drrさんの考えに納得しました。
あっ、ありがとうございます。
私も以前ベイエリアに住んでいて、何度か自己啓発セミナーに参加しましたが、たしかに黒人を見た記憶がありません。
そもそもベイエリアのシリコンバレーエリアには黒人はほぼいません。(東岸のオークランドには多いが)
全米的に見ても、スピリチャルとかUFOとかは、金持ちの余暇なのだと思いますよ。
ましてやイベントに参加するには時間のゆとりが必要です。