コンテンツへスキップ

”ポストパンデミックの世界はどうなる?今後ありそうな15の変化”

Spread the love

1月の終わり、私はサンタクララにある移民局に車で向かっていました。予約の時刻は午前9時で、余裕を持って家を出たつもりでしたが、ベイエリアの通勤渋滞は実に悪名高く、のろのろとしか進まない車の列にまんまとはまっていました。なんとなくラジオをつけると、中国で流行している新型ウィルスの感染者がカリフォルニアでも見つかったというニュースが流れてきました。

その頃、既に日本ではコロナウィルスについての報道が流れていたので、私はそのことについて知っていましたが、CCは一体何のことやらという様子でした。アメリカではまだ対岸の火事どころか、地球の裏側の出来事に過ぎなかったのです。

ニュースキャスターの淡々とした口調がシュールで、私はこう言いました。

「これって、ゾンビ映画のオープニングにありがちな展開だよね。ありきたりの日常の中に妙なニュースが入って来て、最初は誰も気に止めないんだけど、どうやらシャレにならないと気付いた時には、既に町中ゾンビだらけって言うね」

それを聞いてCCは笑っていましたが、もちろん私も、実際にこんな未来がやって来るなんて考えもしませんでした。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

そこから時は流れ、新型コロナウイルスこと、COVID-19は世界的な大流行となり、私たちの生活は、そこから長い一時停止をしているように思えます。

日本での状況は、いかがでしょうか。ニュースから見えてくるのは、本当に表面的な断片だけであって、きっとみなさんそれぞれの思いがあり、様々な経験をされていると思います。自粛生活やリモートワークの生活などにも慣れ、感情的な波風が収まると、今度は退屈な毎日に飽きてくるかも知れません。

この状態がいつまで続くのかを考えるより、コロナ後の世界がどうなるかについて考えてみましょう。これからの世界で、どのような自分でありたいと思いますか。

世界中がどれほどクレイジーであるかを嘆くこともできますが、こんな時こそ、望む未来をイメージしましょう。これからの世界で可能な(そして必要な)新しいつながり方、新しい関わり方があるはずです。私たちが今ここにいるということは、まだ役目は終わっていないということです。

インターネットの世界には、パンデミックについて、毎日沢山のニュースが上がります。ここではパンデミック後の世界がどうなるかの予測について書かれた記事から、気になるものをピックアップしました(なお、本文中の通し番号は元記事とは関係なく、見やすさの便宜上つけています)。

 

・・・・・・・・・・

 

まずは、アメリカの老舗経済誌フォーブス(ウェブ版)より、「パンデミックの後」と題された4月1日の記事です。この記事が出た時期を振り返ると、カリフォルニア州で自宅待機が発動して2週間ほど経ち、ニューヨーク州では条例が施行されて数日経った頃です。つまり、すべては始まったばかりだったと言えますから、ここで予想された世界の変化もメジャーなものが中心でした。

 

1.勤務スタイルが変わる

州政府の命ずる自宅待機令により、在宅勤務を余儀なくされた企業が、非常事態宣言が終わった後も、その状態を続ける可能性が考えられます。フルタイムの在宅勤務という形式ではなくても、たとえば通勤のラッシュアワーを回避して勤務する方が生産的だと気付く人が増えるでしょう。

 

2.大気汚染と環境問題について、新たな試みが生まれる

世界各地の都市で自宅待機令が出されてから、環境問題が劇的に改善された例が報告されています。パンデミック後の世界でもこのレベルの清浄な環境を維持できる方法を再考するきっかけになるかも知れません。有害となる原因を断ち切り、クリーンな技術へ投資をするのは、経済を再構築する上でも役立ちます。

 

3.より柔軟な経済補償や社会保障システムが構築される

世界規模の危機的状況に直面すると、従来の社会保障制度ではまったく不十分であることが露呈しています。パンデミックをきっかけに、無条件のユニバーサルベーシックインカムや国民皆保険など、より柔軟で包括的な経済補償システムを構築する話し合いが進むでしょう。

 

4.学校教育が変わる

自宅待機令に基づいて学校や大学が遠隔授業を実施した場合、従来のカリキュラムや成績評価システム、対面を前提とした従来のコミュニケーション方法のままでは、問題が多発します。それはつまり、現在の教育に変化を起こすべき多くの点が明らかになると言えます。

 

5.遠隔医療が拡大する

医者が患者に検査を勧めたり、その検査の結果を伝えたり、処方箋を出すためだけにリソースを浪費している医療システムがある場合、可能な限り遠隔医療に移行した方が社会的なメリットが大きくなります。

After The Pandemic by Enrique Dans – Forbes.com

 

この5つの変化は、集合意識のレベルでは、随分前から始まっていました。物理世界にぜひ実現させたいことばかりですよね。

 

・・・・・・・・・・・

 

次にご紹介するのは、リベラル系ウェブサイト・ヴォックスより、「パンデミックの遺産」と題した4月22日の記事です。つい先日の記事なので、この一か月以上の自宅待機の考察を反映した内容になっています。先ほどのフォーブスの記事と比べると、基本の5つの変化について重複していましたが、その他により些細な部分の変化についても書かれていました。

 

6.マスクが定番ファッションになる

従来、西洋諸国には、公共の場で顔を覆うマスクを禁じる「アンチマスク法」なるものがありました。これは反政府デモや集会などに関連した法律ですが、欧米でマスク着用が進まなかったのは、長い歴史を通じて、マスクにあまりヘルシーとではないイメージが定着していたからです。しかし、今後は180度方向転換し、定番ファッションと考えられるようになるでしょう。

 

7.子育てが必須の仕事として認められる

これまでチャイルドケアの仕事は過小評価されていましたが、自宅待機令によって幼稚園や保育園が閉鎖されると、改めてその重要性が注目を浴びるようになりました。医者や看護師、交通機関など、社会のインフラとなる仕事が成り立つには、子どもたちの世話をする人が必要なのです。

 

8.エンターテイメントが変わる

1930年代の世界大恐慌の間、多くの人が家庭菜園で自給自足していました。同様にパンデミック後の世界では、エンターテイメントを楽しむ際に、こちらから映画やアミューズメントパークなどに出かけるのではなく、オンラインストリーミングやボードゲームなど、自宅に持ち込める形式のものが好まれるようになります。

 

9.個人経営の店舗は減少し、通信販売や宅配、またはフランチャイズの店ばかりになる
先の見えないパンデミックと自宅待機令によって、個人経営の企業や店舗が被るダメージは深刻です。業種によっては、通信販売や宅配、オンラインでのサービスなど、新しい販路や方法を開拓することもできますが、個人で店舗を構えている場合、全国企業のチェーンに取って代わられる可能性があります。

 

10.挨拶としての握手、およびハグやキスが廃れる
パンデミック後の世界では、親愛の情を示すための物理的な接触が、まったく逆の意味を持つようになるかも知れません。初対面の人との握手や、挨拶としてのハグやキスは、もはや過去のものになる可能性があります。

The legacy of the pandemic: 11 ways it will change the way we live by Vox staff – Vox.com

 

 

日本人は家族同士でさえもハグやキスをしないので、西洋人の感覚だと随分醒めた関係に見えるようです。これを機に、アジア方式のお辞儀が広まったらいいですね。会釈なら想定内ですけど、合掌&「ナマステ―」が広まったら面白いです。

 

・・・・・・・

 

さて最後は、タイムマガジンの4月9日の記事をご紹介します。「ポストパンデミックの世界はどう見えるだろう?」と題された元記事では、タイム社の本拠地・ニューヨークの2050年の未来予想図が物語的に描かれています。古いSF映画に登場する近未来都市のようにシュールな予想もあるのですが、いや、今ならあり得るかも知れないという一抹のリアル感があります。たとえば、それはこんな様子です。

 

11.会員制のプライベートクラブやバーが増える

大勢の見知らぬ人とカジュアルな出会いを楽しむ場所としてのバーやクラブは、今後の世界では、もはや消滅する可能性があります。ナイトライフ自体が失われることはありませんが、身の安全を確認した上で、リラックスして楽しめるような会員制のプライベートクラブやバーが増えるかも知れません。

 

12.オフィスビルや公共施設は、入室時に除菌システムの通過が義務づけられる

911後の世界で、空港や政府機関の建物に入る際に、X線の荷物検査を受けるのが当たり前になったように、コロナ後の世界では、全身除菌システムを通過するのが当然になるかも知れません。ウィルスの進入を防ぐ特別なエアカーテン式のドアが増えたり、靴や衣服の滅菌ができる紫外線照射システムが開発されると、それに合わせて、着脱しやすい衣服が流行することも考えられます。(元記事では、着脱しやすい服の例として宇宙人ぽい長いローブが流行るだろうと想像されています)

 

13.家族やコミュニティとのつながりをより強く求めるようになる

社会が安定した時代には、人々はさらなる拡大を求め、外へと視点が向きますが、不安定な時代になると、人々の目線は内向きとなり、家族やコミュニティとの絆を求めるようになります。経済的な必要性から共同生活を選ぶ人も増えるでしょう。維持可能な社会を考えるにあたっては、個人が経済的自由を謳歌するのではなく、富の再分配という考えにもつながっていきます。

 

14.専門知識がより重要になる

今回のパンデミックは、あらゆる不確かな情報が伝染病のように社会に蔓延するインフォデミックだと言われます。巷に流れる情報は、又聞きであったり、ソースが提示されないことも少なくありません。コロナ後の世界では、ニュース記事をチェックする際にも、どのような専門家が、どのようなデータに基づいて述べた意見かまで気を配るようになります。

 

15.宗教が見直される

不安定さの中で人々は答えを求め、宗教の意義は見直されるかも知れません。

What Might the Post-Pandemic World Look Like? by Eugene Linden – Time.com

 

 


社会が大きく変化する時代には、宗教と共にスピリチュアルの需要も高まります。しかし歴史を振り返ると、現在は世界大恐慌後から第二次大戦に至るまでの流れに近いのではないかと考える人もいます。世界がバランスを保つよう、愛とポジティブなエネルギーを送りましょう。

それにしても、2050という大台の数字を見ると、まだまだ遠い先のように思えますが、たったの30年後なんですよね。30年前なんて昨日のようだとは言い過ぎにしても、だいたい一週間前みたいなものです。そう考えると、感覚的には2050年もあと1週間後か…。あり得ない笑。

 

 

 

「”ポストパンデミックの世界はどうなる?今後ありそうな15の変化”」への6件のフィードバック

  1. ムッチと仙人

    今日は特に こんなに幸せを感じるなんて…と 何度も口にだすような
    窓の光 ゆっくりとした時間…なんとも言えないこのうえない幸せで

    内へ向かう意識が 祈りが 外側へ溢れていくような感覚
    バランスをとるように 愛と祈りを

  2. 「マスクが定番ファッションに」
    今日買い物に行ったら「デニムに合うマスク」なんて手作りマスクありましたよ(^^)

    マスクしないと外に出られないなんて「風の谷のナウシカ」みたいだなー・なんて相変わらずアホな事を考えながら
    それでも、この状況を少しでも楽しもうという姿勢がなんかホッとしました✨

    合掌&「ナマステー」はちょっとお尻を突き出す感じで言いたい(笑)

  3. 個人的には日本式のお辞儀を推進したいな〜。
    深くお辞儀をして お互いの頭がぶつからない距離って1メートル位。自然にソーシャルディスタンスを保つことが出来る 素晴らしい挨拶だと思います。

  4. メタさん、お誕生日おめでとうございます。
    私も同じ誕生日なのでレストランのテイクアウトでお祝いしてもらいました。
    毎年何故か誕生日はソワソワしていたのですが、出かけるわけでもなく、ゆったりとした誕生日が迎えられて良かったです。
    新時代を新たな気持ちで良い1年にして下さい。

  5. 今までしてきた『無駄だと思えること』を
    止める方向に行くかもしれませんね。

    すぐではなくても
    それをやめるためにどうすればいいか
    考え始めるのではないかと思います。

    子育てをひとりでするとか
    よく考えたらありえないシチュエーションも。

    今まですごく走ってきた
    それを続けなくてもいいと思うし
    他の方法を考えざるをえなくなった。

    前向きにひとつずつやめるのがいいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です