『悪魔の辞典』というパロディ辞書の古典があるんですけど、そのニューエイジ版がありました。笑えます。
『悪魔の辞典』
アンブローズ・ビアス著『悪魔の辞典』は、パロディ辞書の元祖と言える名著です。通常の辞書の体裁を取り、言葉の意味をブラックジョーク満載に書き換えたものです。
たとえば、あ行の項目にはこんなものがあります。
悪人:【名】人類を進化させていく最も重要な要因
この『悪魔の辞典』のニューエイジ版とも言えるものがあります。少しだけ見てみましょう。
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【ア行】
アファメーション:
自分の欲しいものが十分手に入ってない時に、ニューエイジャーが唱える言葉。
アセンション:
ニューエイジ界の宝くじ。
イルカ:
ニューエイジャーと共に泳ぐことを強いられる海の哺乳類。
エネルギー:
空気のようなものだと考えられ、多くのニューエイジャーが感じるふりをしているもの。好きな瞑想ティーチャーをほめるのにも、嫌いな人をけなすのにもつかわれる便利な言葉。
[文例]「素晴らしいエネルギーですね」、「彼女のエネルギーは3次元的よ」など。
オーラ;
肉体を包んでいると言われる、ニューエイジャーの公式ユニフォーム。
【カ行】
神:
宇宙、グレートスピリット、光、全てなるもの、一つなるもの、アイアムプレゼンス、ガイアなど、どうにでも言い換えられる、非常に曖昧な存在。理由が分からない現象の原因を説明する際に、ニューエイジャーに好まれる。
グリッド:
原因が分からない時に、ニューエイジャーが好んで使う現象。
グル:
一風変わった名前を持つ金持ち。華麗なトーク技術で知識を披露し、それを見聞きした多くの人に自分は無知だと思わせる技術に長けている。また自分の地位を利用して、高級外車に乗ることが好きである。
クリスタル:
愛玩用ペットとして使用される鉱物。
【サ行】
サイキック能力:
誰もが持つと過大評価されていながら、ほとんどの人が持っていない能力。自分のプロフィールに書き加えると、本の出版や契約を取り付ける効果があることから、ニューエイジャーに好まれるキャッチフレーズ。
祝福:
ニューエイジャーたちに最も過大評価されている割に、実際に経験する人が非常に少ない感情、状態。
慈悲:
祝福同様、ほとんどのニューエイジャーが持っているふりをする感情。
次元:
階層が上に行くほど高級だと言われる高層マンションのようなもの。地球は3次元だが、多くのニューエイジャーは、自分がサイキックエレベーターで既に5次元に運ばれたと思っている。
スターシード:
「144,000人の選ばれし魂」に、自己推薦で加入したメンバー。
占星術:
ニューエイジャーが使うパーフェクトな言い訳。仕事をクビになったり、タイヤがパンクする、スケジュールを読み間違えるなどのトラブルや、恋人との相性など、何を説明するのにも使う。
前世退行:
人生における責任を逃れたいニューエイジャーに好まれるセラピー。
【タ行・ナ行】
ダークサイド:
ニューエイジャーが認めることは滅多にないが、実際に全員が持っている性質。
ツインフレーム
主にソウルメイトが見つからない人々に好まれ、ソウルメイトより完璧だと考えられる相手。
二元論:
ニューエイジャーに好んで使われる悪口。
【ハ行・マ行】
ファーストウェーブ・スターシード
年配のスターシードグループ。彼らはエリートであり、他のグループよりも先にミッションを終え、地球を離れると言われているが、年齢的な必然は考慮されていない。
ハーブ:
80年代にコカインがハリウッドやウォールストリートで果たしたのと同じ枠割を、ニューエイジャーたちの中で担う植物。
ポータル:
エイリアンが地球を訪れたり、エネルギーが流れ込むと言われる空のエネルギーホール。有名であるが、実際に目撃した人はいない。特定の開閉期間があるように言われているが、その期間は実に頻繁であり、トータルで見るといつでも開いているに等しい。
瞑想:
悟りを開いたように見せたいニューエイジャーに好まれる行動。彼らにとっては、瞑想をしていると言うだけで、実際にするのと同様の効果があると信じられている。
【ヤ行・ラ行・ワ行】
ライトワーカー:
ニューエイジャーが、自分を重要な役割だと感じたいときに好んで使う表現。
ワークショップ;
大量のニューエイジャーを捕獲する装置。別名リトリート、セミナー。周囲からグルと呼ばれ、変わった名前を持つ金持ちが主催することもある。
Glossary of New Speak in Snakelyone.com
今読むと、どれも笑えますね。