安全地帯を抜け出してみることのメリットなどについての話です。
『すべてを手に入れる残りの97%の脳の使い方』
脳科学者である苫米地英人氏の本は、脳の働きを科学的に理解し、引き寄せの法則を効果的に使えるようになるということで、スピリチュアル界でも人気があるようですね。
残り97%の脳の使い方【ポケット版】
人間は通常の生活で、脳の3%程度しか使っていないと言われています。残りの97%を使えたら、めちゃくちゃ頭がよくなるに違いないと思ったのですが、本書は「脳の仕組みを知ることで、他人の脳を上手に”ダマし”、自分の言うことを聞かせよう」みたいな話が全体の8割程度を占めていて、ジャケ買いだった私の当初の思惑とは、主旨が若干違っていました。
しかし残りの2割を参考に、現状を打破するための秘訣を考えてみましょう。
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変化を嫌うホメオスタシス
まず人間の体には一定のリズムを保つ機能があり、ホメオスタシス(恒常性維持機能)と呼ばれています。変化を経験すると、それがストレスとなり、心身のバランスも崩れるように出来ているのです。
私たちの健康を維持するためにはとてもよく出来た仕組みですが、その機能があるために、私たちは現状に留まり続けてしまうという傾向があるそうです。
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現状維持のコンフォートゾーン
現状というのは、たとえそこに不満があっても、なんとなく維持してしまうものです。どうしてかと言うと、それが自分にとっての安全地帯、つまりコンフォートゾーンだからです。
コンフォートゾーンとは、直訳すれば居心地のよい場所です。ホメオスタシスの機能から言えば、私たちの脳は、普段の生活や行動範囲を安全だと考える傾向があります。
参考:苫米地英雄『すべてを手に入れる残り97%の脳の使い方』pp.126-128
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意識のコンフォートゾーンを抜けるリスク
たとえば、自分のやりたいことリストを考えてみましょう。
すぐに達成できることは、リスクが少なく、結果も期待できることです。それらは自分の意識のコンフォートゾーン内にあります。
一方、達成できずにリストに残ってしまうことには、以下のような理由があります。
1.そこに投資する資本やエネルギー、リスクが大きい
2.そこから何が得られるのか、結果が明確でない
リスクが大きいことや、未知の領域には、当然、恐れや不安が生じます。
そうなると「本当に自分に必要なのかな?」、「やる意味があるのかな?」、「今やらなくてもいい」のような、躊躇や先延ばしが生まれます。
リスクや結果を考えることは、もちろん必要です。けれども考え過ぎてしまうあまり、行動に移せなくなることが沢山あります。
ひょっとして、行動を遅らせるための言い訳として使っているだけかも知れません。
見えているものだけがすべてだとは思わないでください。
by苫米地英雄
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コンフォートゾーンを抜けるメリット
自分がやると決めたことを、完全完璧100%やる人は、本当に偉いと思います。そうなりたいものです。
そこで、コンフォートゾーンを抜けるメリットを考えてみましょう。
1.出来ないと思っていたことを達成することで、大きな自信がつく
2.新しい世界に踏み出すことで、新しい可能性を知り、もっとクリエイティブになる
3.リスクを負うことで、自分を成長させることが出来る
4.予期せぬ変化にも対応するスキルがつく
5.恐れを克服するという感覚が身につく
6.恐れを克服したということで、今よりもっと強くなれる
7.今後、もっと高い目標にもチャレンジしてみようと思える
8.やるかどうかで、くよくよ悩まなくなる。
9.心のつかえが取れる。
10.エネルギーが飛躍的に変わる
つまり、メリットだらけなんですよ。
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コンフォートゾーンを抜け出す9つのステップ
1.スモールステップに分けて、出来るところから始める
たとえばやりたいことリストで考えれば、やれるところからどんどん始めてみましょう。自分の境界を一つ越える度に、またひとつ自分に自信が生まれます。
しかしすぐ出来ることは、本当にすぐ出来ますから、その先へ向かうことが実際のスタートになります。
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2.恐れを越えることを目的にしてみる
一度やりたいと思ったことを放置しておくと、エネルギー的には宿題のように残ります。いつかまた、その宿題に直面することになるのです。
結果に意味を求めるより、やりたいと思っていたことをやるという、そのことだけにフォーカスしてみてもいいと思います。その行動がなんであれ、あなたがこれまで先延ばしにしていたことや、恐れていたことを、ついに実行に移したということに、大きな価値があります。
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3.居心地の悪さを、居心地よく思う
コンフォートゾーンを越える時、居心地の悪さはつきものです。でもそれはそんなものだと思って、慣れてしまいましょう。高いところから見下ろすと、おしりがムズムズするような、そんなだけのことです。
考えてみれば、居心地が悪いことも、別に逃げ出さなくちゃいけないほど悪くはないかも知れません。変化の時期にはそういうこともあると、前向きに肯定しましょう。ずっと続く訳ではありませんから、大丈夫です。
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4.アファメーションを使う
これは苫米地氏の本に書かれていたメソッドです。コンフォートゾーンを抜けるには、その先の成功イメージをしっかり持つことが必要であり、そのためには、これまでの自分の成功体験を5つリストアップし、それを4週間に渡り一日2回眺めるとよいのだそうです。その時の経験した達成感や解放感を、しっかり味わうこと。
さらに自分がこれから達成したい大きな夢も、リストアップします。その夢リストを、成功体験リストを眺める時と同じ気持ちで眺めると、アファメーションと同じ効果が得られるそうです。
昔の成功体験は昔のことで、今やりたいこととは全然違うっていう場合でも、結局、脳なんか都合よく適当にごまかしてしまえば、こっちの勝ちですから、ぜひやってみましょう。
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5.他にやっている人がいるってことは、自分にも出来ると考える
コンフォートゾーンを抜けるときに、あんまり自分にフォーカスし過ぎてしまうと、逆に無駄な力が入ってしまうことがあります。「できる、できる」って言い聞かせながら、足はガクガクしてるみたいな。
ここは一回、周りを見渡してみることで、肩の力を抜きましょう。スーパー超人でもない限り、みんなたいして変わりませんから、他にできてる人がいるってことは、大丈夫、あなたにもできるんですよ。
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6.シリアスになり過ぎない
思い切った行動をする、その瞬間は、もうやっちまえと思っても、行動の後に不安がドーンと来るものです。それは脳が体のホメオスタシスを整えておくための正常な機能ですから、まったく脳みその奴めと思って、気にし過ぎないこと。
よく考えたら、自分が恐れていることは、ただの恐れであって、現実ではありません。その行動を取ったからといって、全財産がなくなって、ズタボロで行き倒れる訳でもありませんから、そこまで大したことではないのかも知れません。
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7.宇宙のバックアップを信じる
こんな時こそ、宇宙があなたのバックについてくれていることを信じましょう。
これまで心につかえていたことを、一つ解消するということは、その部分のブロックが外れて、エネルギーがナイヤガラの滝のように注ぎ込みます。なにしろ世界の大瀑布です。それはあなたのエネルギーを飛躍的に上昇させ、いわゆるシンクロニシティも、どんどん経験するようになります。
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8.いつも以上に自分を肯定してあげる
コンフォートゾーンを抜け出た後は、不安定になるあまり、ついつい余計に自分を否定してしまいがちです。しかしコンフォートゾーンを抜け出すチャレンジをしたということは、実際には大いに肯定し、賞賛すべきことですから、いつもより頻繁に、たっぷり自分にイエスを言ってあげましょう。
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9.早く寝る
コンフォートゾーンを抜けるということは、もうそれだけでストレスがマックスになります。そういう時は、さっさと寝るに限ります。宿題やったら、歯を磨いて、風呂入って寝ると、健康の秘訣はドリフの昔から同じなんですよ。
寝て起きると、割と気分がさっぱりしてるものです。