今を去ること、11年前の話です。
このサイトを始めたとき、最初に自分で決めたルールの一つは、自分のことは極力書かないようにしようと言うことでした。スピリチュアルの感覚と言うのは非常にパーソナルなものですから、自分の経験がベースになるのは当然と言えば当然なんですが、だからこそ逆に「オマエの話じゃなくて、こっちは自分のことを知りたいんだよ」って言うのもあるじゃないですか。そんな訳で、単なる情報ソースとして役に立つサイトにしようと思ったんです。
でも、なんとなく書きたくなったので、書きます。
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あれは11年も前のことでした。当時の私は、夜遊ぶために昼間働くような生活をしていました。それが楽しかったのもありますが、自分の中の満たされない何かを埋めるように、夜な夜などこかに出かけていました。何が満たされないのかも、よく分かってはいませんでした。
そんなある夜、激烈に酔っぱらって机の下で寝ていたら、夢の中でシカゴ出身ラッパー、コモンのお父さんの声を聞いたんです。
“Not a single soul on earth has been missing or dead. They all still remain here(ただ一つの魂でさえも、失われたり、亡くなったりしたことはない。すべてここにある)
ああそうなのか。だから今出来ないことでも、次の私が出来るから、気にしなくていいのか…。
って、オイ。
びっくらこいて飛び起き、机に頭をぶつけました。 私にとっては、文字通り「目覚め」でした。
なぜアメリカ人ラッパーの、しかもお父さんか夢に登場したかと言うと、彼のアルバムは最後にお父さんが出てきて、スピリチュアルな話をして締めくくるのが恒例になっているからです。当時、彼の音楽をよく聴いていましたから、私の心の声がコモンのお父さんの声で聞こえたんでしょうね。
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そこから紆余曲折あり、たくさんの魂の闇夜を経験して、今に至ります。
最近では、音楽もほとんど聴かなくなってしまいました。よくも悪くも気分を左右されるのが面倒なのです。でも久しぶりに聴くと、今でも当時の夜の空気の手触りや、色、匂いなどを思い出すことが出来ますから、音楽って不思議ですね。
コモンのアルバム「BE」は、ヒップホップ史に残る名盤です。