認知行動療法とは、簡単に言えば、自分の考え方を変えることで、行動パターンを変えるテクニックです。アメリカでは相当メジャーなセラピーで、ストレスの軽減、不安の処理、依存症の克服など、私たちが抱える多くの問題に効果があるとされます。
ここではその基本のアプローチをご紹介します。
1.問題を突き止める
もし何か解決したい問題があるなら、その原因を辿りましょう。それはどのような時でしょうか。あなたはどんな風に感じましたか。思い出せるなら、何回か繰り返しているパターンを遡って考えてみてください。
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2.トリガーを突き止める
ここで言いうトリガーとは、止めたい行動を引き起こすきっかけとなるものです。自分の心を分析してみて、不安スイッチが入る瞬間というのがあると思います。それがトリガーです。
代表的なのは、以下のような状況です。
- 拒否、否定された
- 置き去りにされた
- 辛い状況で、どうしようもできなかった
- からかわれたり、無視された
- 相手にされなかったり、助けの手を差し伸べてもらえなかった
- あなたの言うことを聞いてもらえなかった
- 非難されたり、あなたのせいにされた
- 批判されたり、レッテルをつけられた
- 誰かがあなたと一緒にいるときに、幸せそうに見えなかった
- 性的なことを要求された
- コントロールされた
- 脅された
これらの多くは、過去に遡って原因が見つかります。たとえば今のパートナーとの間で、度々起きるケンカも、原因を遡れば、以前のパートナーとの関係や、ひょっとして子ども時代にうけた傷が原因だったということは、よくあることです。
今、目の前にある痛みの感覚を頼りに、同じ感覚をこれまで感じたことがないか、それを遡ってみましょう。
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3.反応を突き止める
トリガーを確認したら、それに対してあなたがどのような反応をするか突き止めましょう。ほとんどの場合、トリガーに対して、ほぼ自動的に同じ反応をしています。
たとえば過去にされた浮気がトラウマになっている場合、パートナーが他の女の人の話をすることがトリガーとなって、あなたがとってしまう行動パターンというのがあると思います。自分がどんな反応をしてしまうか、よく考えてみましょう。負の連鎖みたいなのが見つかりますよね。そいつがアクティブになる前に気付いて別の行動をしようというのが、このアプローチのキモですから、よく分析しましょう。
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4.現実を認識する
過去の心の傷は、似た状況に対して、似た反応を引き起こします。怒りや恐れなどの不安はとても強力ですから、慣れるまでは難しいかも知れませんが、まずは無理やりにでも、 現実に目を向けましょう。
先ほどの例で言いましょう。パートナーが別の女の人に話しかけたとき、あなたのパートナーは本当にあなたを裏切ろうしていますか?本当にあなたを傷つける意図がありますか?実際は、そうではないと思います。
必ず考えてほしいのは、あなたの不安は過去から来ているもので、現実にはなっていないということです。マインドの力を使って、思考を上手にコントロールしましょう。
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5.新しい行動を練習する
ここまでのステップを進んだら、今後はどう反応したいか、新しい行動を選びましょう。パートナーとの問題であれば、ここまでの話を聞いてもらい、どう反応すべきか提案を受けてもいいと思います。新しい行動を選んだら、それが新しい自分のスタンダードとなるまで練習しましょう。
http://www.howtowinamansheart.com/blog/how-to-deal-with-past-emotional-baggage/
要するに自分の思い癖を見つけて、悪いループに陥る手前で、一度冷静になれるようにするということです。
コツは、自分のトリガーを熟知することです。あくまで客観的に、まるで自分ロボを操作するオペレーターのような気持ちで、行動パターンを分析してください。
このテクニックの物足りないと思う点は、反応を変えることにフォーカスする一方で、反応の原因となっている心の傷には何のアプローチもかけないことです。ねじれた感情は癒してあげない限り、そのままずっと残ります。そこをどうやっつけるかについては、次回以降の記事でご紹介します。