自閉症の16歳が語る ”どうしてみんな「普通」になろうとするんだろう?”

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よく考えるとばかばかしいのに、なぜかみんなが憧れる「普通」とは、一体なんなんでしょうね。16歳のロージーが、TEDトークで語ります。はみ出ることを、恐れるなかれ。


豊富なバラエティーを恐れる人々

あまり人に話したことはありませんが、実は私の頭の中では、何千もの秘密の世界が同時に起きています。私は自閉症でもあります。多くの人は、自閉症を診断する時に、箇条書きのチェックリストで判断したがります。でも実際、私たちの姿には、豊富なバラエティーがあるのです。

例えば私の弟は重度の自閉症で、全く話すことができません。でも、私は話すのが大好きです。自閉症の人というのは数学と理科が好きで、後は全く興味がないと考えられがちですが、クリエイティブであることが大好きな自閉症の人たちを、私は沢山知っています。

ステレオタイプなものの見方というのは、いつもとは言いませんが、たいてい間違っています。たとえば多くの人々は、自閉症というと、映画「レインマン」を考えます。よくある話なんです。自閉症の人は、全員ダスティン・ホフマンだと思っているんですが、それは違います。

これは自閉症の人に限った話ではなく、LGBTQや、女性、POC(有色人種)の人たちにも、よくある話です。人々は、多様性をとても怖がるのです。そして、あらゆるものを小さな箱の中に押し込めて、説明のラベルを貼りつけようとします。

ある時、私はグーグルで「自閉症の人々は…」と検索したことがありました。そうすると、次に予想される言葉の候補が出ますよね。「自閉症の人々は…」と入れて、候補の一番上に出てきたのは、「悪魔だ」でした。つまり多くの人が、そう思ってるってことでしょうね。ばれたか(笑)。

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自分を箱に押し込めないことの素晴らしさ

自閉症だからこそ、出来ることもあります。これは障害というより、能力です。私には、非常にヴィヴィッドな想像力があります。

少しご説明しましょう。たとえば、私は常に二つの世界を行き来しているようなものです。みんなで共有している現実の世界と、私の頭の中の世界です。そして、私の頭の中の世界は、しばしば現実世界よりもずっとリアルです。想像力の世界に入り込むのは、私にとっては簡単なことです。

なぜなら私は、自分を小さな箱に押し込めようとしないからです。これは、自閉症であることの最大の長所だと思っていますが、そうしなければならないと思わないのです。自分のしたいことを見つけて、やりたいようにやる方法が分かったら、後はやるだけです。

もし私が自分を小さな箱の中に押し込めてしまっていたら、私は今この場所にはいないでしょう。そして、私がこれまで成し遂げたことの半分も出来なかっただろうと思います。

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授業中は大変

でも、自閉症であることの大変さもあります。想像力があり過ぎるのです。一般に学校生活は大変になるのですが、毎日の日課のように、「授業が死ぬほど退屈で、自分の頭の中の世界に避難していたから、話を聞いていませんでした」と先生に説明しなければならないのは大問題です(笑)。

また、想像力に圧倒されると、体まで支配されます。心の中の世界で何かエキサイティングなことが始まると、私は走り出したり、体を揺すったり、時々は叫んでしまいます。ものすごいエネルギーを受け取るので、そのはけ口が必要なのです。

でも私は、子供の頃から、ずっとそうしてきました。まだ小さな女の子だった頃から、ずっとです。両親はそれを可愛いと思ってくれて、特に問題になりませんでした。

けれども学校に入学すると、可愛いとばかりも言えなくなりました。数学の授業中に叫び出す女の子とは、友達になりたくない人がいるのかも知れません。それから(今なら通常はありませんが)、自閉症の女の子と仲良くしたくない人がいるのかも知れません。「普通」というラベルが貼られた箱に収まりきらない人と、つきあいたくない人がいるのかも知れません。

でも、私はそれで良いのです。それで人々が選別できるからです。どの人が本物か分かれば、その人と友達になればいいんですからね。

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「普通」ってほめられたら、嬉しい?

でも考えてみてください。「普通」とは、何でしょう?どんな意味があるのでしょう?それが、あなたが今までに言われた最高のほめ言葉だと考えてください。

「ワオ!君は、本当に普通だね!」

でもほめ言葉って、「あなたはずば抜けてるね」とか、「あなたは他とは違うね」、「あなたは素晴らしいね」とかですよね。

それなのに、どうしてこんなにも沢山の人が「普通」になろうと努力しているのでしょう?どうして人々は、自分のキラキラした個性の光を、型にはめようとするのでしょう?

人々は多様性をとても恐れ、誰もを一つの型に押し込めようとします。普通になりたくない人や、そうなれない人がいるとしてもです。

LGBTQや自閉症の人々を集めて、「普通」になるようトレーニングするプログラムがあります。今の時代にそんなことをする人がいるなんて、本当に恐ろしいです。

私なら、自分の自閉症と想像力を捨てて生きようとは全く思いません。なぜなら私は自閉症で、BBCのドキュメンタリーに出ましたし、現在、本の執筆中ですし、こうしてみなさんの前でお話しすることが出来ています。ファンタスティックです。

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YouTube

How autism freed me to be myself | Rosie King in TED on YouTube


これを読んでいるみなさんは、箱から出まくりだと思うんですが、私なんか箱から出た上に、脱線して崖から落ちてるようなものですから、こういう話を聞くと、とても力が湧きます。

TEDの動画は日本語字幕も出ますので、気になる人は見てみましょう。字幕を書き起こそうかと思ったんですが、あんまり話がヴィヴィッドで素晴らしいかったので、自分でも訳してしまいました。

余計なお世話なのですが、すごいいいところでTEDの字幕の訳がちょっと違ってたので、あそこは単なる皆さんのyouじゃないですよ。念のため。でもbrilliantをキラキラとしたのは、私には出てこない素敵な訳だったので、字幕からパクりました笑。